松戸市上本郷_みきピアノ教室 | 日記 | 新学期  新しい出会い

楽しく基礎を学び、読譜力と音楽的な表現を。3歳前後のお子様から。

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松戸市上本郷_みきピアノ教室 の日記

新学期  新しい出会い

2015.09.09


新学期が始まりました。
夏休み中に新しい生徒さんが何名か教室にいらっしゃることとなり、音楽を通じてたくさんの方と出会える仕事を嬉しく思っています。

転居、または何らかの理由で他教室から移っていらした方の場合、私は少し慎重にレッスンをすすめています。勿論、初めてのピアノ指導者が私の場合もですが、慎重になるのには、大学を卒業して間もない頃のある生徒さんへの反省があるからです。

その生徒さんは、小学校の中学年の女の子でした。大手楽器店のグループレッスンをやめて、個人レッスンを受けたいとのことで、私のところに来てくれたのでした。
「今までどんな曲弾いてたのか、ちょっと聴かせてくれるかな?」
といって楽譜を見せてもらい、演奏を聴くと、色々細かいところはあるものの、楽譜通りに音もリズムもポジションも弾けていましたし、「この位弾けるならこの教材に入って問題ないだろう」と、新しい楽譜を渡して、
「じゃあ、この曲弾いてきてみて」
と次の課題を出しておいたのです。

ところが、翌週全く手つかず・・・体調でも悪かったか用事が重なったのかな?と思って、譜読みを一緒にしながらレッスンをしたのですが、そのまた翌週も同じ感じ・・・

「宿題なんだけれど、どうしてやってこないのかな?」と聞くと、
「だって、お手本弾いてくれないからわからない」との答え。
「お手本???だって楽譜みて考えて弾くのが練習でしょ?この前聴かせてくれた曲より、少しだけこの曲の方が簡単だと思うけど。」
「でも、お母さんも弾いてくれないし・・・」

などのやり取りがあり、それでも当時の私はその子が譜読みを面倒がって、言い訳しているように思ってしまったのでした。

また、私が最初からレッスンしていたお子さんにも、そういう感じに急になった方がいて、「なぜだろう??」と思っていたのです。読み方の説明もしていたし、結構弾けてたじゃない・・・急に教材が難しくなったわけでもないのになんで???と。

そして『落ちこぼれをなくす楽しいピアノ・レッスン』という本を読んでみました。その本には、「こうすると簡単に弾けるよ!」とか「ラクラク上達」という事が書かれていたのではなく、まず最初に「落ちこぼれのプロセス」という、少々嫌な感じになることから書かれていたのです。

しかし、読んでみると「なるほど!!!」と、「分からない」という意味が分かったのです。その子の言った「お手本を弾いてくれないから」。この言葉が重要でした。1フレーズずつ、指導者、あるいはおうちの方がお手本として弾いて、見て・聴いて・暗記して、楽譜はただ置いてあるだけ。これでずっとやってきていたのだということが判明しました。
私が初めに指導していた子の場合も、私は説明もしていましたし、生徒さんもその場で答えてたので、「1回で分かった」と思っていたのです。そして翌週、キチンと弾けていれば、こちらとしては「良く練習して順調に伸びているな!」と思っていたのですね。

しかし、このお子さんの場合も、実は理解はしていたけどまだ定着はしていなかった。でもお母様がある程度知識がおありで、子供が自分で考える前に「お手本」を弾いてくれていたそうです。そして、ある程度子供が大きくなったので、「もう自分で出来るでしょ」と完全に関与しなくなってしまっていたのでした。

学校の勉強で例えるなら、「解き方を説明せず、答えだけ教えていた」ような感じでしょうか。

その辺りを、慎重に見ていないと、せっかく長い期間ピアノを習い続けていても、「楽しむ」ことが分かる前に苦手意識を持ってしまうのではないか?と思い、お子さんの様子をみてレッスンをすすめることを心掛けています。

私自身にも子供がおり、ピアノとソルフェージュは信頼出来る先生にお世話になっています。自分が弾けてもまずはお手本として弾き聴かせることはしていません。先生もまずは音に出しては下さいません。理屈で教えることの方が正直面倒でしたよ・・・幼稚園の頃なんてとくに。ソルフェージュを先に学んでいたので、一応理解はしていても、子供はすぐ忘れてしまいますから定着するまでは。親が全く関わらず、完全に本人任せだと変な事やりますし・・・・。でも、そんな状況を経て、今は譜読みそのものは自分で出来ています。ただし・・・・演奏上の諸注意に関しては、やっぱりまだまだ子供ですから、先生が指導してくださる内容を自分に厳しくやるかといったら全く違いますね。「先生のおっしゃってた事、全然気にしてないように聞こえるけど?」といっても母親の私には「やってるよ!やってるつもり!」と。それでレッスンで・・・私が思ったことと全く同じ事を言われてチラっと私の顔を見る。先生には素直ですよ・・・それが救いです。

「やってるよ!」なんて豪語する態度に「じゃあ一人で気をつけてやればいいよ」と私は手を引こうと何度もしています。でも関心は持っていてもらいたいようなのですね、子供って。一応「ママはどう思ったか」と意見は求めてきますから。そのあたりの加減が、とても難しいと母親として感じています。






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